Skip to content

Repository files navigation

鳩時計カムジェネレーター

3Dプリンターで製作できるオルゴール(ミュージックボックス)用カムの STL ファイルを、ブラウザ上で生成する Web アプリです。

大人の科学マガジン あたらしい鳩時計(学研)の付録に付いているオルゴール機構で使えるカムのジェネレーターです。 このキットの機構にそのままセットできる寸法でカムを出力します。

アプリのスクリーンショット

概要

オルゴール機構の「琴爪(きんそう)」は、カムの歯(突起)の高さに応じてどの音が鳴るかが決まります。このアプリでは 25 分割されたカムの各セクターに音符を割り当て、好みのメロディを奏でるカムを設計・出力できます。

使い方

  1. ブラウザで index.html を開く(静的 HTTP サーバーで配信)
  2. ピアノロールのセルをクリックして 25 ビートに音を割り当て
  3. 「▶ 試聴」でメロディを Web Audio で確認
  4. 「STL をダウンロード」で 3D プリント用ファイル(melody_cam.stl)を取得
  5. 3D プリンターでプリントし、オルゴール機構にセット

UI 要素

要素 内容
ピアノロール 縦軸=10 段階の音(半音階・ラ〜ド)、横軸=25 ビート
セルクリック そのビートに音を割り当て/同じセルを再クリックで休符(直前の音と同じ径)
▶ 試聴 全 25 ビートを再生(triangle 波)。テンポは初期 ♩=300、MIDI 読込後はそのテンポ
MIDIファイル読込 MIDI(SMF)を読み込んでピアノロールへ反映(1 拍 = 4 分音符、ラ〜ドへオクターブ畳み込み)
MIDIファイル保存 現在のメロディを MIDI(melody.midi、25/4 拍子・試聴と同じテンポ)として書き出し
全部クリア 全ビートを休符にリセット
3D プレビュー ドラッグで回転 · スクロールでズーム
STL をダウンロード 現在のメロディをカム形状(STL)として書き出し

カム仕様

パラメーター 値
セクター数 25 等分
厚さ 1.8 mm
中央穴 10.5 × 10.5 mm 正方形
開始マーカー 正方形穴の +X 方向の壁に V字溝(幅 1.0mm・深さ 1.5mm)

中央の正方形穴は、オルゴール機構の回転軸に取り付けるためのものです。V字溝がある側がセクター 1(メロディの最初の音)の開始位置です。

歯の高さ(外径)と音階の関係

オルゴール機構では外径が大きいほど高い音が鳴ります。琴爪の長さが外径によって決まり、短い琴爪ほど高周波で振動するためです。

この機構は φ30〜φ40mm の範囲であれば、どの外径でも音が鳴る 連続構造になっています。離散的な「5 つの琴爪」が並んでいるわけではなく、歯の高さに応じてピッチが連続的に変化します。本アプリではこの範囲を 10 段階に等分割して、半音階の「鍵盤」としてピアノロールに並べています。

ノート番号 階名 外径 半径(コード値) 試聴音(ドレミ/音名/周波数)
0 ラ φ40.00 mm 20.000 mm ラ4 / A4 / 440 Hz
1 ソ# φ38.75 mm 19.375 mm ソ#4 / G#4 / 415 Hz
2 ソ φ37.50 mm 18.750 mm ソ4 / G4 / 392 Hz
3 ファ# φ36.67 mm 18.333 mm ファ#4 / F#4 / 370 Hz
4 ファ φ35.83 mm 17.917 mm ファ4 / F4 / 349 Hz
5 ミ φ35.00 mm 17.500 mm ミ4 / E4 / 330 Hz
6 レ# φ33.75 mm 16.875 mm レ#4 / D#4 / 311 Hz
7 レ φ32.50 mm 16.250 mm レ4 / D4 / 294 Hz
8 ド# φ31.25 mm 15.625 mm ド#4 / C#4 / 277 Hz
9 ド φ30.00 mm 15.000 mm ド4 / C4 / 262 Hz

⚠ 試聴音と実機の音は別物です

ピアノロールで「ラ」と打ち込むと、ブラウザは A4=440Hz を鳴らしますが、実機のカムが鳴らすのは A4 ではありません。試聴と実機の音は、次の 2 つの点で違います。

① オクターブが約 3 つ違う

実機の音は 第 7 オクターブ(2400〜3800Hz)の高音域です。機構が小型で琴爪が短いため、固有振動数が高くなります。ブラウザ試聴は耳に優しい 第 4 オクターブ(中央ハ周辺、262〜440Hz)に置いていて、メロディの形(上がる/下がる/繰り返し)を確認するためのものです。

② 音の並び方が違う(試聴と実機で「ラ」が指す音が違う)

ピアノロールの「ラ」「ソ」「ミ」「ド」… は ピアノの白鍵・黒鍵に揃えた音の並び(音楽でいう「平均律」)です。これは人間の耳に馴染みがあり、メロディが綺麗に聞こえるように人工的に整えてあります。

一方、実機は金属パーツを物理的に振動させて鳴らす機構なので、出る音は機構の形状や材質で勝手に決まります。φ40mm を「ラ」のつもりで打ち込んでも、実機が出すのは「ラ(A)」ではなく 少し高い「シ♭(Bb)」。同様に「ミ」のつもりが「ソ#」、「ド」のつもりが「レ」のあたり、というふうに、全部ズレた音名で鳴ります。

でもこれで OK な理由

「ピアノロールの音名と実機の音が一致しないなら、試聴は何のためにあるの?」と思うかもしれません。これで OK な理由は:

  • メロディは「音の名前」ではなく「音の上下のパターン」で認識される。 たとえば「ド ド ソ ソ ラ ラ ソ」を全体的に半音や全音ずらしても、上がる場所・下がる場所・繰り返す場所が同じなら、人は 同じキラキラ星 だと聞き取れます。カラオケで自分のキーに合わせて歌っても曲が変わらないのと同じです。
  • アプリの試聴も実機も、外径が大きい歯ほど高い音、小さい歯ほど低い音 という性質は共通しています。だから「ピアノロールで聞いて気持ちよく流れたメロディ」は、実機でもだいたい同じ上下のパターンで流れます。
  • 試聴の役割は「メロディの形(ジングルの感じ)」を耳で確認すること。「絶対的にこの音が鳴る」ことを約束するものではありません。

なお、実機の音は平均律ではないので、ピアノロール上の音間隔と実機の音間隔は完全には一致しません。 たとえば試聴で「ドとソは 5 度離れている」と聞こえても、実機では同じ 2 か所が「5 度よりやや狭い」「半音ほど広い」など微妙にズレることがあります。それでも「上がる・下がる・繰り返す」の骨格は保たれるので、メロディとして認識できる、というのが基本的な発想です。

休符の扱い

カム上に「休符」という概念はありません。エディター上で何も選択していないビート(休符)は、STL 出力時に直前のビートと同じ外径として扱われます。これによりすべてのセクターが機構に確実にかかり、同じ音が連続して鳴る形になります。

実測値(参考)

5 つの代表的な外径について、単音テストカムを実機にかけてマイクで録音・解析した結果です。この 5 点は機構が出せる音の 代表サンプル であり、間の径(例:φ36.67mm)でも音は鳴ります(連続的に変化します)。

外径 実測音名(ドレミ/音名) 代表周波数 備考
φ40mm シ♭7(ラ#7) / Bb7(A#7) ~3709 Hz ボディ共鳴との差分で同定
φ37.5mm ファ#7 / F#7(参考値) ~2980 Hz 5音サイクルカムからの推定
φ35mm ソ#7(ラ♭7) / G#7(Ab7) ~3406 Hz 非常に安定した測定値
φ32.5mm 未同定 不安定 サイクルごとにスペクトル変動
φ30mm レ7〜レ#7 / D7〜D#7 ~2420 Hz D7 より約 +30¢ 高め
  • φ40mm と φ35mm はどちらも G#7 付近(~3350 Hz)に強いピークを持ちますが、これは機構本体の**ボディ共鳴(胴鳴り)**です。φ40mm 固有の音は差分スペクトルで求めた Bb7(~3710 Hz)です。
  • φ32.5mm の音名が「未同定」なのは、機構が鳴らないからではなく、サイクルごとに測定スペクトルが変動して安定したピークを特定できなかったためです。
  • 解析ツール: Python + soundfile + scipy(macOS afconvert で m4a → WAV 変換)

デフォルトメロディ(キラキラ星)

起動時のメロディは「キラキラ星」(25 ビート)です:

ビート 1– 8: ド ド ソ ソ ラ ラ ソ ソ
ビート 9–16: ファ ファ ミ ミ レ レ ド ド
ビート17–25: ソ ソ ファ ファ ミ ミ レ レ レ

ファイル構成

cuckoo-clock/
├── index.html        # HTML マークアップ
├── style.css         # スタイルシート
├── app.js            # Three.js プレビュー + STL 生成 + UI ロジック
├── docs/
│   └── screenshot.png  # README 用スクリーンショット
└── README.md         # このファイル

動作環境

  • モダンブラウザ(Chrome / Firefox / Safari / Edge)
  • ES Modules と importmap をサポートする環境
  • Three.js は CDN(jsdelivr)から読み込み(インターネット接続が必要)

ローカルで動作させる場合は HTTP サーバーが必要です:

python3 -m http.server 8080
# または
npx serve .

ライセンス

MIT

Releases

Packages

Contributors

Languages